笑う推しには福来る

ファンレター書くタイプのオタク

認知によってとあることをやめた話

推し イベント とかでぐぐると絶対出てくる単語

「認知」

 私の場合は、まさか認知されると微塵も思ってなかったために、推し以外のことで人生の中で大きなウェイトを占めていたものを封印した話になります。

先日書いた記事でちょろっと触れたやつです。

 

認知されてるのが発覚したのは今年の夏。おそらく認知自体は去年の年末ぐらいにはされてたんじゃないかと思う。 エピソード自体はよくあることだったけど、私にとってはその後の予定やスタンスが大きく変わった大事件だったので、これもまた別の機会に書き留めておきたい。

推しを推すようになったきっかけと推してからのこと - 笑う推しには福来る

 

ここからは全ての文末に、お前の中ではな!ってつけて読んでください。あと、認知されていない同担へのマウントを取りたいとかでもないから、 あくまで私が経験したり勝手に思ったことの備忘録として見ていただけたら。あと、書き方が大げさなだけで大した内容ではないです。

 

■認知が発覚した出来事

推しを応援して1年半、とある舞台を観に行った時の終了後に急きょ握手会が開催されることになった。

公式でも事前にそんな情報は一切出ていなくて、本当にゲリラ的に。しかもキャスト全員ではなく数名だけ選ばれていて、推しがたまたまその中に入っていた。

 

こっちは突然の推しとの接触に頭が真っ白になった。それまでの推しは接触イベント自体少ない人だったから、私だって慣れてるわけもない。

でも推しを間近で見れるチャンスが嬉しくないはずもなくて、ただ握手できるだけで嬉しいと思って、めちゃくちゃドキドキしながら順番を待っていた。

 

握手会は前の人たちの様子を見ている限りあっさりしたもので、本当にただ握手するだけの流れ作業。

たまに、ありがとうございます!とか、良かったです!って言うお客さんがいたらキャストもありがとうございますって返す程度だった。

だから私も、かっこよかったです!って一言伝えれたらいいな、ぐらいに思ってた。

 

いざ私の番がきて。

推しと握手したら、推しの方から「いつもありがとうございます」って言われた。

認知されてました。

しかも普段は笑って和やかにしてる推しが今まで聞いたことないようなすごい真面目で真摯な口調で。本当に心を込めて言われているように受け取れた。

認知の発覚と見たことのない推しにダブルパンチで完全に頭の中が吹っ飛んで、かろうじて「すごくかっこよかったです!」とは言えたものの、その時に推しがその言葉を聞いてくれていたのかとかどういう顔をしていたのかが全く思い出せない。

もう本当にびっくりして、劇場出てからしばらく固まってた。

だって、私が最後に接触したのは半年前で、その後の半年間の現場で推しが私を認識できたかもしれない機会はたったの2回なのである。その2回以外にも複数の現場へ足を運んでいたけど、2階席とか完全にあちらから見えない位置だった。

 

ただ、思えば、この公演のカテコの時に、前方下手の端っこにいた私の方に体を向けて凝視されたような気はすごくしてた。普段はカテコでもそんな露骨に観客を見るなんてあんまりないから、まさかね、とは思いながらも見られたような気はしてた。

そんなことをされる心当たりがあるとしたら、この舞台の少し前に私の住んでいる地域で災害が起きて、推しがその地域の人たち大丈夫?って更新をした際に、被害を受けたけどなんとかして次の現場に行きます!っていうコメを私が送ったことを覚えてくれていた?っていうのと、この日の公演も台風が直撃していて、電車が止まってたりして近場でも来れない人が多かった。

となると、この時点で私の名前と顔は完全に覚えられていて、この間の災害で被害を受けてた上に台風のなか地方から来てくれたの?!って思われたのかもしれないなって。

推しは人の名前は全然覚えられないから名乗られても分からないっていうのを自分で言っていて。だから、私は1年半の間にコメや手紙をたくさん送ってはいても、全く覚えられてないだろうなって思ってた。

そんな人に顔どころか名前も覚えて一致してもらえてるかもしれないってことに気づいて、嬉しくもびっくりしてたのだけど、とあることをやめるしかないな、ということにも気づいた。

 

■認知をもらったことでやめたこと

ここまでの記事で一切書いてなかったけど、私は2次元大好きおたくで、小学生の頃からずっと絵を描いてきた。

推しを知ったきっかけも好きな2次元作品の2.5次元舞台に出ていたから。

察しのいい方はこれでピンときたかもしれませんが、認知されるまでは推しの演じたキャラの二次創作を描いてたんですよね。

そのキャラのグッズは全部コンプして、毎日キャラ名でSNSを検索しては全ての二次創作にいいね飛ばすぐらい好きで。

しかも、推しが演じた作品のキャラ解釈、脚本、演出、全てが最高だった。今まで数年間いろんな舞台を見た中で一番好きっていうレベル。

あまりに最高すぎて本を出したくなって、息をするように自然な流れで同人イベントに申し込んでた。

 

でも、推しから認知されてることが判明して。

よりによってその時出そうとしてたのが、推しの演じたキャラのBLだったんですよね。

認知以降、本を出したくなるぐらい大好きだった舞台の映像を見ても、好きなキャラではなく、推しにしか見えなくなってしまった。なんていうか、推しを見るたびに、この人に名前と顔覚えられてるんだ…っていうのが真っ先に来てしまって。

キャラとして二人で幸せになって欲しいって思ってたのに、推しとしか認識できなくなってしまったらそういう妄想全部が無理になってしまって。

もう二度と描こうなんて思わない、推しが魂削って演じたキャラにそんな妄想してる人間にいつもありがとうなんて言わせてごめん、って思って死にたくなった。

だって、認知してることなんて短期間に何度も接触してるでもない限り本人から言わなくてもいいことじゃない。それをあえて言ったってことは、少なくとも自分は推しにとって嫌なファンではないということ、だと思いたい。

そういう認識をもってくれてるのが握手会のたった一言で伝わってしまったから、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 

最終的に、これまで上げた二次創作やつぶやきは全部消して、イベントは欠席してその後も参加せず、同CPの人とのつながりも完全に絶って、そのキャラに関するものは一切見なくなった。

10歳の頃から好きな作品やキャラは変わってもずっと当たり前のようにやってきたことをやめたのだけど、不思議とその選択を取ったことで後悔したとかは全くない。

あんなに絵を描いて連日好き好き言ってたのは、"推しが演じた"キャラに対してだったんだなっていうのが理解できて、なるほどなって自分に対して客観的に思えたぐらい。

 

ちなみに、2次元用アカウント(鍵つき)と推しへのリプ用アカウントは全く別の名義でどちらもつながってないし、リプ垢は誰にも言ってない。当然、こんな風に思うぐらいなので色紙や絵を描いて本人に送りつける文化にはものすごく否定的だから(推しが2次元おたくではないのでなおさら)、自分の絵はBLではないものも含めて推しには絶対に見られたくないと思ってる。

私が二次創作をやめたところで推しには推しが認知している名義の私が自分のたった一言で大きな決断が起きたなんて何も気づかない。それに、推しは過去に私が本を出すはずだったCPとは違うCPの二次創作にいいねを飛ばしてたことがあるから、おそらく私がCPの片割れとして見てたってことを知ったとしても笑って流してくれるかもしれない。実際、トークショーで別の仕事について、これBLに見えた?なんて茶化してファンに聞いてくるぐらいなので。

ただ、自分自身がそういう妄想をしてたってことがどうしても無理になった。

要は一人で勝手に盛り上がって凹んで蓋をしたってだけの話なんだけど、なんていうか2.5化された作品のCPものの二次創作してる人が役者本人に認知されたら二次創作やめるか担降りするかの二択だよなあって思った。 

逆に、2.5ネタで二次創作してる人は中の人に認知されてないから好き放題できるんだってことも分かった。

※なお、認知されてても鍵なしで2.5ネタや中の人のBLを描いてる人も多い界隈だけど、私には理解できないタイプなのでそこには触れない。

 

もちろん、原作の方だけ見て推しとは切り離して二次創作を続けるという選択もあったのだけど、私の場合は推しの演じた舞台がなかったら原作のキャラを好きになってグッズを買うことも二次創作もしてないっていうパターンだったので、BLじゃないキャラ単体のものも含めて描けなくなった。

今は精神的にだいぶ落ち着いて推しの演じた役を舞台上にいるキャラとしても見れるようにはなったけど、やっぱり演じてる時の推しが~って目線で真っ先に見てしまうので、認知されてると思ってなかった時のように2次元から出てきたキャラそのものとしては見れない。

それはそれで素晴らしい演技をしている推しを否定している感じがして辛い。

これはその後のどの舞台を見ても(2.5関係なく)、今日の推しの演技は良かったとかこうだったって視点でしか見れなくなってるから、純粋に舞台そのものだけを楽しむことが出来なくなったっていう、すごく大きくて大事なものを失った感覚が今でも強い。

だからって推しを責めるとか降りるとかは全くないのだけど。

 

■認知が発覚した後

そもそも認知されるなんて全く思ってなかったタイプだったから、認知が発覚した当初は認知なんてされなくてよかった、っていう気持ちもあったし、覚えてもらえるぐらい自分の声や行動が本人に伝わってて良かった!っていう喜びもあって、本当にぐちゃぐちゃになっててしんどかった。

その時にこちらの記事にたどり着いて、すごく共感できることが多くて、モブになりたかったっていう言葉がめちゃくちゃ刺さった。

korilakku.hatenablog.com

 私も、認知されてしまった以上、されてない過去には戻れないので、せめて推しにとっていいファンでいようと思ってその後も現場に通っている。

 

あと、認知が発覚したことが私の勘違いだったら恥ずかしいなと思って、その後の別の現場で本当に認知されてるのか試したこともある。

結果としてはやっぱり顔も名前も認知されてた。

 

認知されてるのが分かってからの現場では私も認知されてることを前提に推しに対して話しかけたり手紙を送るようになって、そういう行動にシフトしたことで嬉しいことがたくさんあって、推しから幸せをもらえて更に推すっていう流れになってる。

今は私が次いつの現場に行くって言わなくても、推しの方から「また来てくれるの待ってる」って言ってくれるようになったので、ある意味呪いだとは思いながらも「また来たよー!」って言いたいから今日も今日とてチケット戦争に参戦している。

 って書くと推しに認知されたから行かなきゃって思ったって感じに見られるかもだけど、推しのトークがめちゃくちゃ好きだからトークイベントは絶対行く=接触の機会が必然的に増えてる、みたいな感じ。通うスタンスは認知される前と変わってない。

ハッピーな呪いの話はまた今度できれば。

 

※10/24追記 認知されたあとの話、書きました。

miyama-oc.hateblo.jp