笑う推しには福来る

ファンレター書くタイプのオタク

推しへのファンレターの送り方、そしてファンレターを100通送ることによるその効果。

推しを推して2年半で出した手紙が100通を超えたので、どういう手紙を出していたのか、どうしてそんなに出したのか、出して良かったことなどをまとめておこうと思います。
100通超えた後の接触の話は次の記事で書く予定です。

若手俳優系のはてブログループで100通以上送られた方の記事を以前お見かけしていたので、私もいつか達成したら書くんだって(勝手に)思ってました。
100通に至るまでの気持ちや、書く時のこだわりなどが人それぞれあって、わかる~とかなるほどなー!と思ったり、その後のお話などもひっそり拝見させていただいております…!
kwainaoflavor.hatenablog.com
toughgummy.hatenablog.com


◆年ごとの出した内訳
・1年目:20通
・2年目:40通
・3年目:55通(8/14時点)
カード系のプレゼントに添えているメッセージなども含めると+30ぐらい。
3年目(今年)がめちゃくちゃ多いのは1度に3通送ったりするようになったからです。詳しくは後述します。

◆ファンレターを書き出したきっかけ
推しに落ちてから「ファンになりました、これからも応援しています」っていうのをどうしても伝えたくなって、バレンタインプレンゼントと一緒に送りました。
それ以降、舞台やイベントへ行くたびに手紙を出して、現場以外の仕事の感想も事務所へ送るようになりました。
文通などではなく、相手に一方的に何年も出し続けるというのは推しが初めて。
全部読まれてるのを知ったのは2年目のトータル55通目ぐらいの接触で。今に至るまで本当に全部読んでもらえてるようです。

◆レターセットについて
2年目までは市販のレターセット1種をずっと使い続けてましたが、3年目からはオリジナルのレターセットを、こちらの記事にあるあさだ屋さんという印刷所で作っていただきました。
torata-nu.hatenablog.com
haku-asadaya.com
ファンレターを書きたいと思った頃に記事を拝見して、私もいつか作って、ストックを切らすぐらい手紙を書き続けられていたらと思ってたんです。
実際に作って半年で切れるのは嬉しい誤算でしたが(1年分用意したはずだった ※倍以上再版しました)、こうなったら毎年新調しようかな、と今は思ってます。

作りたいデザインは決まっていたので、PhotoshopIllustratorで作成して、データをお渡ししてから10日ぐらいで届きました。
用紙や箔の色味などの相談なども親身に乗ってくださるので、印刷所をあまり利用したことがない方は、まずはサンプル取り寄せたり作りたい雰囲気に合う封筒や箔の色を相談してみるのがおすすめです。
単価は市販で使っていたレターセットの半額ぐらいで済んでます。

ちなみに、プレゼント用のタグもおそろいのデザインで姉妹サイトのタグ専門の印刷所、FUDAさんで作っていただきました。
hakuoshi.org
ちょっとしたデザインに名前やメッセージだけ入れたタグを作りたいという場合は、スマホでテンプレート選択するだけでできるので、レターセットを作るよりもお手軽かも。
丸孔加工(5~6mmがおすすめ)もオプションでつけれるので、届いたものにひもを通すだけで使えます。
こちらもサンプル請求したり、相談に乗っていただけます。


◆出すタイミングと手紙の内容・文字数
舞台は生モノ、感想は鮮度が命だと思ってるので、すぐに出すようにしています。
記憶力がないので、その時に感じたこと、気づいたことはすぐにスマホに書き留めて、それを手紙の体に整えて、手紙に書き写すという感じ。

私の場合は、手紙1枚の文字数400字、1枚を手書きするのにかかる時間10分なので、マチソワ間などの時間が限られている時は、まず、何分使えて、何文字・何枚まで書けるかを把握した上でまとめます。
封筒をデコる時間を取るのも難しい場合は前日のうちに封筒だけ用意して、あとは手紙を入れるだけの状態にしています。
なので、公演予定時間の事前チェックは必須。

ペース配分は最初はあたふたしていましたが、何十回もやってるうちに慣れました。
初めて手紙をマチソワ間に書いた舞台とその次の舞台が今は亡き六本木のブルーシアターで、劇場からカフェまでの往復だけで20分以上かかったけどなんとか書き切り続けたのが、今となってはいい経験になってます。

・舞台
同行者がいない限りは毎公演出します。
マチソワ間は時間との勝負になるので、あらかじめ手紙を書けそうな近くのカフェを探しておきます。

ほぼその舞台の感想だけだと
マチネ(前日~当日朝に書く):2000~3000字
マチソワ間に書いてソワレで出す:1200字~2000字
ぐらい。

推しは毎公演後、自分宛てのファンレターどころかアンケートまで全部目を通している人なので、アンケートも書ける限り率直に書いてます。
とはいえ、悪いところはまずなくて、だいたい「今回のここが最高だったからもっとこんな感じで弾けてほしい!」とかポジティブなことしか書いてないです。

また、観客と一緒に劇場の空間そのものを作り上げるために本気で向き合ってくれる人で、手紙を出す→舞台で手紙に書いたことを取り入れてくれる→手紙を出す、のループになることが多いため、手紙やアンケートの出しがいも連続での観劇のしがいも最高にあります(もちろん、全部の意見が採用されてるわけじゃないです)
舞台上で観客の期待に全力で応えてくれるからこそ、私も義務感ではなく、わくわくした気持ちで早く手紙を出したくなっちゃうんですよね。

私が一方的に思ってるだけですが、推しが出ているのがいい舞台・いい役だと、感想もめちゃくちゃ熱くなってしまうし、それに応え続けてくれるので、手紙と舞台上(+SNS)でクソデカ感情で殴り合ってるような感じに思えてきてしまいます。
千秋楽がだいたい一番事故る*1盛大にぶちかましてくれるので、私も初日から千秋楽までに毎回2kg以上減ってます。仕事以上に頭をフル回転させてる感じがすごくある。

手紙とは、推しとファンとの魂のぶつけ合いだ。
ただし、どれだけヒートアップしても礼節を欠かさないこと。

・イベント
これも1日に複数回あったら毎回。
ただ、イベント終了~次の回の整列までの時間が40分切ってたら諦めて、後日まとめて出します。
基本的に時間が50分以上あって会場から5分圏内にカフェもしくは座って書ける場所があれば書きます。
一番タイムアタックしてるので、1000~1500字ぐらいをなんとかまとめるのに必死。

推しはトークが上手くてコミュ力が高いので、1人でも場を盛り上げることができるし、複数人いたら自然にまとめ役をこなして全員を楽しませるので、褒めるところが尽きないです。
良かったところをいくらでも伝えたいけれど、書ける時間が1時間もない時は特に好きなところだけをピックアップして時間内にまとめます。

・映像、ラジオ、インタビューなど
キリが良いと思ったタイミングで、1~2週間分をまとめて事務所に送ってます。平日にメモしておいて、週末にまとめて書くことが多いです。
イベントや舞台の日が近ければその時に出すこともあります。
一度全部書き出してみて、トータル3500字を超える場合は仕事ごとに分けて2通以上にします。多い時は3通以上になることも。
(生放送で1通、ラジオ×n回分で1通、円盤で1通、など)

複数のお仕事や、写真集、円盤の感想の場合は、見出しを作って、カテゴリごとに感想を書いてます。
例:◆円盤A
  ・1日目
   感想

  ・2日目
   感想
という感じ。
こうすることで手紙の枚数が増えてしまうデメリットはあるけれど、多くなればなるほど見やすさは大事だと思うので、できるだけわかりやすい紙面になるようにしています。

SNS
全部の感想は書きませんが、どうしても直接感想を伝えたいぐらい良かったり、アップされたことで自分にいいことがあって感謝を伝えたい時などは手紙の最後に少しだけ書きます。
これがメインにならないよう、あくまで追伸レベルで。


◆書く時に気をつけていること
・手書きするのは一旦寝たあとで
どうしても時間がない時は深夜に書き切りますが、手紙に書く時は基本はあまり疲れてない状態で書くようにしています。
夜に書く場合は晩ごはんとお風呂入って、少しでも疲れを回復させた後。
疲れてるのとか、時間がないのとかって、どうしても字に現れちゃうんですよね。新幹線や飛行機の中で書いたらガタガタになるのも経験しました。
そういうのも含めて、書いた人の状況まで伝わってくるから手書きの手紙は嬉しいって推しは言ってるけど、ファンとしては貴重な時間を割いて読んでもらうのだから、できるだけ読みやすいものを送りたいじゃないですか。
なので、できる限り良いコンディションの時に手書きするように心がけています。

・難しい言葉、オタク用語を使わない
私の書き文字が綺麗じゃないのと、推しがあまり難しい漢字が読めないと公言してるのと、全くオタクじゃないのもあって、画数の多い漢字や、難しい言葉、難解な言い回し、オタク用語はできるだけ使わないようにしています。
画面上ではすんなり読めても、手書きすると読みにくくなる漢字はいっぱいあるので、手書きしてみたらわかりづらくなった時はふりがな振ることもよくあります。

また、よくある、オタクが感極まった時に出る「無理・しんどい・つらい」などは非オタには本来の言葉通りの意味でしか受け取ってもらえない可能性が高いので、別の言い回しで伝えるようにしたりとか。(これは相手によるので、逆にガチオタな人だったらオタク用語ガンガン使った方が伝わりやすいこともあると思います)

伝えたいことがわかりやすい単語で浮かばない!という時は、こちらの感情ことば選び辞典のお世話になっています。

感情ことば選び辞典

感情ことば選び辞典

まさに『感想を伝えたいけど適切な言葉が浮かばない人のために作られた辞典』なので、持っておいて損はないです。スマホサイズなので持ち運びもしやすいです。

・読みやすい文章を心がける
逆に、難しくはないけれど、『事』『後』『時』などは熟語で使う以外はひらがなにしています。
ひらがなにした方が読みやすいものについてはこの記事が分かりやすくまとまっているかも。(とはいえ、私も全部これを守りきれているわけではないです)
bamka.info

・伝わりやすい単語選び
相手に自分の言いたいことが正確に伝わるかが一番重要だと思うので、感想を書く時に語彙力がないことに凹む必要はないかな、と。
極端な話「ここが最高!ここも最高!最後にこれが本当に最高すぎた!観れてよかった!」みたいな同じ単語ばかりの言い回しでも、とにかくどこがよかったのかがストレートに伝わればOKと思うことにしています。その単語自体が浮かんでこない場合は上に挙げた辞書に頼ったり。
例を挙げると、小さい子からファンレターをもらって感激してる方って、混じり気なしの純粋な感動をぶつけられているからすごく心に響いてるんだと思います。
そういう、『手紙を出したくなるぐらい感動していること』がまっすぐ伝わる文章が書けていたらいいんじゃないかなって。

・見た目だけを褒めない
これは個人的に実行したり思っているだけで、同担を否定するわけじゃないという前提で。
ビジュアルが発表されたりしたら「かっこいい!」って思っても本人にその言葉だけを伝えないようにしています。
せめて、どういうところを見てそう感じたかを掘り下げることを忘れずに。

あと、私がどうしてもストレートに「かっこいい」と伝えたくなるのは、推しの仕事への取り組み方や内面に対してなので、そこがちゃんと伝わる文章が書けているかはめちゃくちゃ気にしてるし、ずっと伝え続けていくって決めてます。

とはいえ、見た目だって世界一かっこいいって思ってるから、かっこいい写真を見た時に直感的にかっこいいって思っちゃうのは仕方ないんですよね。だからこそ、なぜそう思ったのかを考えるのを放棄しない。

・感謝を伝えるのを忘れない
見たいと思っていたことが叶ったり、推しの仕事を見て救われた時は感謝を忘れずに伝えています。
推しが仕事でいいものを見せ続けてくれているから、私も仕事やしんどいことを頑張れるので。

・とにかく完成させて出し続ける
同人界の格言で『出ない神本より出るクソ本』というのがあります。
出さなければなにもないのと一緒なんですよね。
かっこつけて、完璧なものを出さなきゃ!なんて思って、いざ着手してみたらハードルが高すぎて挫折して出さないなんてことになるぐらいなら、一言でもよかったことを書いて出す方が絶対にいいと思っています。そして感想は早ければ早い方が勢いで出しやすい。

2年目あたりまで手紙の量が多すぎて迷惑じゃないかめちゃくちゃ不安になってたんですけど、仕事の感想はいくらでも欲しいと推しが言っていて、実際に全部見てくれているので、これからもずっと出し続けます。
継続させなきゃ意味がないとも思っているので、出し続けはするけど、自分に無理のないペースで。
出すのが遅くなったからって怒られたり、それが原因で干されるわけではないので、いのちだいじに。


◆手紙を出してよかったこと
・手紙へのお返しを仕事で見せてくれること
やっぱりこれが何より嬉しいです。
目線くれたとか私信とかプレ使用報告とかそういうファンサ以上に(それももちろん嬉しいですが)、仕事できっちり今まで以上のものを見せてくれることが、手紙を出して一番良かったって思います。
こっちが本気の想いを思いっきりぶつければぶつけるほど、それに比例したどでかいものを見せてくれるし、そういう時の推しっていつも以上に輝いてるんです。
それは、もしかしたら私しか輝いてるって思わないものかもしれないけど、私が見て「輝いてた!」って感じたことを素直に伝えるのは絶対に続けていきたいです。

・要望が叶うことがある
この2年半で「こういうのが見たいです」と手紙に書いて叶ったことはたくさんあります。
見れたら感謝と、また見たいっていうのを伝え続けていたら、ずっと叶い続けているものもあります。
逆に、叶わなかったこともいくつもありますが、それに対して推しに何か言ったりはしません。
あくまで要望が採用されたらラッキー、採用されなくても自分では思いつかない推しが見れるからラッキーと思うことにしています。

・推しの原動力の一部になれているかもしれないこと
推しは「ファンからの言葉にパワーをもらって頑張れている」と言っているので、そのうちの一部になれていたらいいな、と思います。
なれているか、ただの迷惑なだけじゃないか、数ヶ月前まですごく不安だったのですが、不安を消し去るようなとんでもないものを仕事上で見せてもらえたので、今はちょっとだけでもなれているのかもしれない、と思っています。


◆◆◆
私はかつて二次創作をしていたオタクだったのですが、精力的に活動してた頃ですらこんなハイペースで出し続けるようなことってなかったんですよ。
うまくいかなくて途中で投げたことも、新刊落としたことも何度もありました。

でも、推しへの手紙は100通以上書きたくて書いて、出し続けられている。自分でも奇跡だと思ってます。
それぐらい、推しがずっと素晴らしいものを見せ続けてくれていることが何より一番すごい。
すごいけれど、その分どんどん忙しくなっていて、しんどいこともあると思うんです。
だからこそ、手紙を読んでもらえる時間が、推しにとって無駄な時間にならないようなものを送りたいと思っています。

とはいえ、一方的に感情をぶつけているだけなので、一種の暴力に変わりはなくて。
読んでくれているのは『推し』だけど、その推しは私とは違う思考回路を持った『一人の人間』だっていうことは決して忘れずに、これからも「仕事を見たよ!こう思ったよ!」っていうのを伝えるべく、書き続けていきます。

*1:初主演舞台の千秋楽で女性用のパンティを頭にかぶるだけでなくスーツのパンツ越しに履いた状態で大真面目に演技を続けたりね。ブラもスーツの上からつけてくれた。